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帰ってきました!! でも・・・ 

22日夜、小泉首相が帰ってきた。国民の最大関心事は拉致被害者家族8人全員の帰国が実現するかどうかに集中していた。結果は蓮池さんの子供2人と地村さんの子供3人の合わせて5人。曽我ひとみさんの家族で夫のジェンキンスさんとその子供2人は帰国しなかった。

この結果を是とするか否とするか世論は2分されるだろうが私はこの結果を素直に評価したい。期待が大きかっただけに満足できないのも解る。しかし、時間はかかったがこれで10人の帰国を小泉首相は実現させている。歴代の首相は誰一人として出来得なかった(この問題に取り組まなかった人もいる)ことを小泉首相はやっている。こうしたことが次につながる。

ジェンキンスさんの問題は当初からハードルの高い問題として予測されていた。曽我さん自身も難しい事はわかっていたが小泉首相の説得力に賭けたということだろう。また、母親としてのプライドにも淡い期待をかけていたと思うが北朝鮮という国の体制主義はその予想を遥かに越えていた。またジェンキンスさん本人の気持ちから言えばそれも当然と言える。

しかし、今の時点で訴追免除を日本に約束できるほど、イラク問題で混迷しているアメリカに余裕は無い。そういう意味では確約の無いまま政府として見切り発車してしまった感は否めない。

その他10名の拉致被害者については今までの経緯や結果を白紙に戻して再調査する約束が出来た。これには相当深い意味があるのだが現時点で公表できない内容なのではないだろうか。例えば、消息は既に解っていて10人のうち7人は生存しているが3人は何らかの理由で既に死亡しているなど、公表すれば日本世論は蜂の巣をつついたような大騒ぎとなり、問題の解決がさらに遅れる事が予想されるし、北朝鮮の調査に基づく発表では国民も信じないだろう。したがって、日本の調査に北朝鮮が協力して発表するというほうが両国にとってメリットが大きいと判断したのかもしれないと私は想像している。

「拉致被害の会」の家族の方たちの発言のうち帰国直後の言動は「拉致議連」の会長平沼赳夫衆議院議員が糸を引いて言わせているのがミエミエで好感をもてない。

しかし、総じて家族会の人たちの立場からはああ言うほか無いし、政府にプレッシャーを与え続けなければならないことはよく解る。今回の状況で人道的見地とは言え25万トンの食糧支援、1000万ドル相当の医薬品支援、加えて経済制裁措置の発動せずはいかがなものか。弱腰すぎるのではないか。せめて経済制裁は温存すべきだったのではないだろうか。

いずれにしても次回の6カ国協議の場は大変重要になってきた。この状況を受けて北朝鮮の核廃棄を各国がどれだけ迫れるか、また、日本はこれに絡めた拉致問題の解決を進展させる事が出来るか正念場を迎える。そのために共産主義国でありながら資本主義経済を導入し発展を続けている中国の果たす役割は非常に大きい。

子供達5人には早く日本に慣れて、その名前と国籍にふさわしい人生を歩んで欲しいと思う。

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