3月23日から12日間開催される第78回選抜高校野球大会への出場32校が昨日、選考委員会から発表された。
出張先のここ沖縄県でもこれまでにない離島からの出場が決まり、「夢」実現に沸いている。
出場を決めたのは沖縄本島から400キロも離れた八重山諸島の八重山商工高校で離島からの出場はセンバツ史上初となる。八重山商工は’05の沖縄県秋季大会で3位に入り、九州大会では惜しくも清峰高校(長崎)に決勝で破れたが出場は確実視されていた。離島は’03のセンバツに21世紀枠で出場した隠岐高校(島根)があるが実力での出場は初。
八重山本島では17年前から「八重山から甲子園に行かす会」が発足し活動してきたが悲願達成に喜びを分かち合っている。八重山商工出身で俳優の大地康雄さんも「本当に良かった。選手たちが努力次第でどんなことでも成就できる事を証明してくれた」と喜びのメッセージを送り、「僕たちの頃は野球部はあったがグランドがなく水牛をどけながら石拾いをした」というエピソードを紹介していた。
監督の伊志嶺吉盛監督は沖縄農林高校から沖縄大に進み準硬式野球で全国制覇を成し遂げた経験を持つ。指導者としては’78から6年間、八重山商工の監督を務め’94からは八島マリンズや八重山ポニーズなど少年野球の監督としてどちらも日本一になっている。こうした指導力から’03からは石垣市の嘱託職員として同校の野球部監督に派遣されている。いわば「甲子園出場請負人」として期待されていた。グランドでは「めざせ甲子園」の看板の上に「めざせ全国制覇」の看板が新たに取り付けられた。
一方、今年のセンバツは中国地方から関西(岡山)、岡山東商(岡山)、南陽工(山口)の3校が出場を決めたが広島からは出場校なしという寂しい結果に終わった。