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ここにも倫理観の欠如

警視庁公安部は核兵器に転用可能な「三次元測定器」を無許可で輸出していたとして川崎市の大手精密測定器製造会社「ミツトヨ」を外為法違反容疑で一斉に家宅捜索した。

’03年12月から国際原子力機関(IAEA)の査察でリビアの核関連施設から同社が輸出した同じタイプの機器3台が見つかっており、ウラン濃縮用の遠心分離機の管理などに使われていたことが解っている。

この機器は直接中国やタイへ輸出されたものもあるが、マレーシア経由で核の闇市場と呼ばれるルートで売り捌かれたものがリビアに提供されていたらしい。

その他日本から直接中国への輸出も含めパキスタンや北朝鮮なども調達していたと見られており、解明が急がれている。パキスタンの核開発科学者カーン博士は自ら築いた秘密ネットワークとルートについて暴露し謝罪している。

いくら善意の第三者を装っていてもこの機器をその国に売ればどこへ辿り着くかはその筋の人なら容易に推測できたはずである。自社製品のエンドユーザーがどこか解らない企業は無い。売れればどこへでも売る、儲かれば何でもするという倫理観欠如がもたらした結果であり、厳しく責められるべき姿勢である。

こうしたことが廻り回って中国の軍備増強や北朝鮮の核脅威にさらされているのが今の日本の実情ではないか。日本の最先端技術が他国に利用、悪用されて日本が被害を被るなど全く馬鹿げた話だ。

以前にもミサイル発射台に転用可能な大型トレーラーや核開発に転用可能な直流安定化電源、業務用大型洗濯機のインバーターなどを北朝鮮に不正輸出していたケースが摘発されているが、6カ国協議や日朝政府間協議で核開発を断念させる外交努力をしている反面、このような倫理観の欠如した企業が不正を平然と行い国民の安全と国家主権を脅かすような行為は断じて許されるべきことではない。

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