「新地方分権構想検討委員会」(委員長・神野直彦東大教授)は「地方共有税」の創設など七つの提言を盛り込んだ「分権型社会のビジョン」を中間報告として取りまとめた。
同委員会は全国知事会、地方6団体が設置した有識者会議。
提言の主な内容は
① 地方行財政会議の設置
法律でこれを定め官房長官、総務相、財務相ら政府側と地方
6団体の代表、国会議員、有識者が参加する。’07度中の設
置を目指す
② 地方共有税の新設
地方交付税に替わるもので新たな特別会計から地方に配分す
る「地方の固有財源」として確立
③ 消費税と地方消費税の割合変更
地方交付税の不交付団体を増やすため割合を4対1から半々
にする
④ 国庫補助金の半減
約400の対象のうち半数を廃止し一般財源とする
⑤ 財政再建団体への転落防止
転落防止のため情報公開を徹底する。再建団体になった場合
には地方税の増税など住民負担を求める
⑥ 国と地方の関係
関係を総点検し、役割分担を明確化する
⑦ 「新地方分権推進法」の制定
三位一体改革に続く’07年以降の第2期改革のため新法
を制定する
となっている。
竹中平蔵総務相の私的諮問機関である「地方分権21世紀ビジョン懇談会」は『地方交付税配分額の算定は複雑で解りにくいので人口と面積を基本とする簡素化』を打ち出し、経済財政諮問会議の民間議員はこうした簡素化に加え『交付税を受け取らない自治体を’05年度現在の6%から50%に増やし総額の削減を目指す』という。
今後は総務省、財務省、地方6団体に加え政府の経済財政諮問会議などの間で議論が白熱するのは必至で曲折が予想されている。