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上告審判決

平成11年山口県光市のアパートで本村 洋さん(30)の妻子が殺害された事件で最高裁第3小法廷は20日、二審広島高裁判決の無期懲役を破棄し、審理を差し戻す判決を言い渡した。

判決の骨子は以下のとおりとなっている。

 一、原判決(二審判決)を破棄、審理を広島高裁に差し戻す
 一、永山基準に照らすと、特に酌量すべき事情がない限り、死刑を選択する
   ほかない
 一、殺害は女性暴行目的に端を発し、計画性がないことを死刑回避の事情と
   評価できない  
 一、当時18歳になって間もなかったことも死刑回避の決定的事情とは
   いえない
 一、原判決の量刑は不当で、破棄しなければ著しく正義に反する   

浜田邦夫裁判長(退官=上田豊三裁判長代読)は「二審が死刑を選択しなかったことに十分な理由はない。責任は誠に重大で、特に酌むべき事情がない限り死刑を選択するほかない」との判断を示した。

また、判決理由で「検察側上告は量刑不当の主張で、上告理由として認められないが、職権で調査する」とし、死刑適用基準(永山基準)に照らして判断した模様。

今回示された審理を広島高裁に差し戻す最高裁判決は少年事件で考慮される「更生の可能性」にとらわれず、犯行結果の重大性や遺族感情を重視したと言える。

こうした結果、二審の無期懲役は破棄され、今後検察、弁護側双方の激しい攻防が予想されるが、凶悪な事件を起こした少年には死刑も視野に入れる判決の流れができたのではないか

少年事件をめぐっては平成13年4月、少年法が改正され刑事罰の対象が16歳以上から14歳以上に引き上げられている。    

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