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頂 点

第88回全国高校野球選手権大会は昨日午後1時から甲子園球場で3連覇を狙う駒大苫小牧と悲願の初優勝を目指す早稲田実業との間で決勝戦を行ったが、延長15回を戦って1:1のまま両校とも譲らず引き分け再試合となった。決勝戦での再試合は昭和44年(’69)の松山商対三沢高以来37年ぶりで延長が15回制になった平成12年(’00)以降では初めてとなる。

どちらが勝ってもこの優勝には両校の熱い想いと歴史的な意味がある。
駒大苫小牧は勝てば73年ぶりの夏甲子園3連覇という偉業。昭和6年(’31)~昭和8年(’33)にかけて達成した中京商以来の快挙となるし、早稲田実業は第1回大会の出場以来、27回目の甲子園出場で悲願の夏初優勝を勝ち取ることになる。

それにしても甲子園の女神はいろいろ試す。
今年の大会ほどホームランの多い大会はないし、逆転に次ぐ逆転で「勝った!」と思った試合をハラハラドキドキさせて結末を全く別のものにしてしまうことが何度となくあった。それくらい打撃の技術が向上して2桁得点も珍しくないほど乱打戦が多かったように思う。
ところがこの決勝戦はどうか。一転して息詰まる投手戦になった。これまで今年の大会で見せた甲子園の雰囲気とは全く違うドラマを演出して見せた。それくらい甲子園の女神もどちらに勝たせたらいいか悩みに悩んでも結論が出せなかったということではないだろうか・・・。おそらく見ていた人は「手に汗握る」とはこのことだということを実感したに違いない。
両校の選手の親は試合中ずっと心臓が口から飛び出てきそうな気持ちになっていただろうし。胸が締め付けられもしただろう。わが子が目の前のグランドで必死に戦っている。「助けてやりたい、勝たせてやりたい」。でもどうすることもできないのだ。

早稲田実業の斉藤祐樹投手は昨日の決勝戦、延長15回に見せた147kmの速球は「どこにこんな体力が残っているのか」と関係者を唸らせたと思う。そして、2死後、最後の打者駒大苫小牧の4番打者、本間(篤)君には全て直球で勝負したところに見ているものを感動させる清々しさとスポーツマンらしさを感じた
そして何より投手として一番大事な素質をもっていると感じた。
この斉藤投手、甘いマスクとマウンドで上品にフェースタオルを使って汗を拭う仕草が「ハンカチ王子」として人気を博している。

いずれにしても今日13時00分、甲子園でその決着をつけるためのサイレンが再び鳴り響く。

さぁ、4112校の頂点に立つのはどちらか。

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