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涙のFA宣言

カープの新井貴浩選手(30)が昨日、今季獲得したFAを宣言しました。

本人は「つらいです。つらいです。カープが大好きなんで・・・」と声を詰まらせながら記者の質問に答え大粒の涙を流していました。子供の頃からカープが好きで好きでたまらなく、続けてきた野球人生。そしてプロ野球選手として憧れのカープに入団し一つの夢を実現させました。

1999年ドラフト6位でカープに指名され、2005年にはシーズン43本塁打を記録して初のホームラン王に輝きました。今シーズン、昨シーズンは2年連続で100打点以上をマークするなど文字通りカープの新井、カープの4番としてなくてはならない存在に成長していました。

こうして成長してきた黒田投手、新井選手を引き止めることが出来ないカープ球団の経営姿勢は多くのファンをガッカリさせ、今後にも大きな疑問を投げかけたのではないでしょうか。お金の無い弱小球団が実力を備えて成長した選手に相当の報酬を払えないという現実があります。球団の立場で言えば「育ててやったのだから恩義を感じるならFA宣言せずに残留しろ」というのはプロと言う世界で余りにも理不尽と言うほかないと思います。

昨日、車の中でラジオを聞いていると「私は大阪から転勤で広島に来たのですが、昨年の黒田投手を引き止めるファンの姿に感動しました。しかし、シーズン開幕のとき観客の少なさにビックリしました。お願いするだけして後は知らんぷりというのはどうかと思います。タイガースファンにこんなことはありません。」と堂々と語っていたのを聞いてその通りだと思いましたね。

黒田投手、新井選手の抜けた後、二人の年俸を合わせた4億円で球団史上最大規模の補強に乗り出すと言いますが「育ったら出す、年俸が高くなったら出す」という事をいつまでも繰り返し、小手先の変化、目先を変えてファンをごまかすという方針を変えない限り、いつまでたってもファンの本当の心は掴めないと思います。これからも「またか!」という声が今から聞こえてきそうです。

「環境を変え野球人として前に進みたい」という言葉は心ならずもカープ球団を離れなければならないという無念の思いの裏返しであり、決断した新井選手の固い決意の表れとなっています。

必要な選手が出て行くことを引き止められないカープ球団の情けなさに加え、本当はもう一つ大きな問題があるのですが、これは封印しておきます。

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