昨夜、午後9時半、福田首相は首相官邸で記者会見し辞任を発表しました。
福田首相は「ネジレ国会」のなか厳しい政権運営を迫られた上に相次ぐ不祥事や公明党との軋轢に耐え切れず政権の座を降りることを決断しました。
余りに真面目で誠実な人柄は逆に「何も発信しない首相」とマスコミから揶揄されましたが、パフォーマンスに頼らないこの総理は国民目線での道路財源一般化、消費者庁設置法案の取りまとめなど地味ではあるが将来の日本に必要な道筋の一部を担ったといえるでしょう。
マスコミにとって発信しない首相はニュース性のない、どちらかといえば都合の悪い首相だったのでしょう。こういうことで政治家の良否をイメージ付ける風潮が蔓延していますが、混迷する日本における今日の社会的風潮の責任はマスコミによるところが大きいと思います。逆に小泉前首相はマスコミを逆手にとって翻弄する作戦が当たりました。
ニュースの欲しいマスコミは「年内解散強まる」と強調しますが、福田首相の辞任により衆議院解散は近くなったのか、遠くなったのか現時点では判断できそうにありません。
次期総裁はこれから党内で早急に着手される自民党総裁選を経て衆参両院で行われる首班指名選挙で正式決定されますが、現時点では麻生太郎幹事長が有力視されています。他にも谷垣禎一氏、小池百合子氏などの名前も挙がっており、最終的に党内が挙党体制になれるかどうかが大きなポイントになりそうです。