「人の死」については諸説あり、宗教的、倫理的な側面からもこれまではグレーゾーンの中で議論れてきました。こうしたことから一般的社会においてもそれぞれの家族、親族のその時々で受け止められてきたのだと思います。
しかし、昨日の衆院本会議において臓器移植法改正案が可決され、「脳死は人の死」と判定する基準が確立されました。今後は参院審議を経て法案成立となりますが、人の死についてはもっと慎重であるべきと言うことから参院では修正されるかもしれません。でも最終的には衆院の優越で再可決される見通しです。ただし、審議中に解散・総選挙になれば廃案となってしまいます。
法案は4案提出されましたが、どの政党・会派も党議拘束をせず自主投票としたところがほとんどでした。投票総数430に対し賛成263、反対167という結果でしたが最初のA案で過半数を超えました。正直言って多少の驚きはあありますが、今後は世界保健機構(WHO)の採っているこのスタンスが広まっていくことになるでしょう。
そのほか大きく変わった点は臓器提供について生前、本人の拒否が無い限り家族の同意で提供できること、これまでの15歳以上という年齢制限を撤廃する、親族に対する優先的提供が義務付けられました。