motani.jp

MENU

五輪招致?

秋葉市長は昨日、長崎の田上市長と合同記者会見を開いて2020年の夏季五輪招致を両市で開催するための検討委員会を設置すると発表しました。

余りにも唐突でビックリしましたが、「平和の祭典」と「核兵器廃絶」を重ねた案で広島市民はもとより国内に波紋を広げています。

これまで市長の本会議答弁で”パラリンピックを広島で”ということは聞いたことはありますが、夏季五輪招致という具体的な話は初めて聞きました。パラリンピック開催は現実的ではないのでそれもほとんど聞き流していました。(失礼)
それは夏季五輪開催地での場所や施設を使用するのが一般的だからです。

さて、現実論として①国連憲章で定められている1国1都市開催という規定はクリアできるのか ②招致費用 ③開催のためのインフラ整備 ④競技施設の整備 ⑤選手村の整備などざっと考えても大変な費用と労力が必要となりますが広島市程度の規模で開催実現の可能性はどのくらいあるのでしょうか?第1のハードルはまず身の丈を考えることが重要で第2に国内選考で勝ち上り日本の候補地となること 第3にIOC委員会での世界選考とハードルは気が遠くなるほど遥か彼方で広島市にその力量があるとは思えません。

結局、当事者として一番問題なのは開催費(財政面)の捻出が相当高いハードルになると思いますが、秋葉市長は「オバマ大統領の選挙は小額の応援資金がたくさんの人から集まった。五輪なら世界的なアピールが可能だ」と他力本願で短絡的な考えのようです。

単に核兵器廃絶をアピールし平和問題で世界的なネームバリューがあるからとか、2020年が平和市長会議の目指している核兵器廃絶の年と重なるから言って開催地に選ばれる有力な条件とは思えません。逆に政治色の強いイメージはかえってマイナス要素だと思いますけど・・・

これまでに僅か10年とは言え秋葉市長とほとんど同時期に広島市政に関わることになった私から見れば①新球場建設でエンティアムとの交渉失敗 ②アストラムラインの延伸中止 ③広大跡地の活用問題の失敗など開発やインフラ整備は大の苦手分野と見ています。(思想的分野も含めてですけど)今は旧市民球場の跡地問題も解決できない現状で世界イベントのオリンピックは無いでしょう。いくらなんでも。

こうしたことを考え合わせれば実際には開催不可能と考えるのが現実的であり、選出されないことを前提にアドバルーンをぶち上げたと見るべきでしょう。

では、そのメリットは何か。

その第1は次期市長選へ4選出馬の意思表示 第2は議会や市民に自身の格の違いを見せ付けることが大きな目的だと推察します。そうしたことに気がつかずに利用され付き合わされている長崎市はいい面の皮でかわいそうになります。

2020五輪開催地の選考は2013年のIOC総会で決まりますが、日本は2010年に国内の立候補地を絞り込む予定です。

秋葉市長の場合、新球場も完成し4選出馬(2011年春)にこれといって大義名分がない今、多選批判、市政運営の手腕のマイナスを打ち消すだけの大きな、そして市民や日本中がビックリするような話題が必要なのだと思います。そのためには来年の内に候補地として消えてしまわないように全力でしがみつく努力をするでしょうね。市長選挙が終わった後に国内選考から漏れるのは願ったり叶ったりという筋書きのようですからね。

これは大きな賭けに出ましたね、市長さん。

ページトップへページトップへ