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政権離脱

この連立政権の脆弱さは安全保障問題であると最初から誰もがわかっていたことだが、鳩山首相の5月末決着案は自分の首を絞めることになった。

社民党は30日、福島党首の罷免を受け連立政権から離脱することを決めた。沖縄県・普天間飛行場移設問題の政府最終決断に反発し、福島党首が閣議決定の署名拒否を貫いたためだ。

こうした動きや傾向は政府の対応が変わらない限り予想されたことだったが、日米合意で「辺野古崎周辺」という文字が盛り込まれた時点で福島党首の腹は決まっていた。

5月末決着の普天間移設問題は「国外移設、最低でも県外」とした政権公約に違反し、社民党の政権離脱は筋の通った話として国民には受け止められたと思う。

結果、社民党の支持率はそれまでと連立の離脱を表明した直後では3倍に跳ね上がったことがそれを証明している。

政治に不信感を抱き、政治家の言葉が信じられなくなっている現状で、社民党は誰にでも解り易い決断と行動だったと思う。

ただし、安全保障上の問題として捉えれば必ずしも私は社民党と同じ考えではないが、理屈としては十分に理解できる内容だ。

先日27日に行なわれた緊急の全国知事会議では鳩山首相がこの期に及んで「自治体の基地受け入れ、訓練受け入れに協力を」と懇願したが、このタイミングでは如何にも都合の良い話にしか聞こえなかったのは確かである。

しかし、一人だけ「応分の負担をする用意がある」と応じたのは大阪府の橋下知事だった。これは現時点でかなりの勇気ある行動であり、日本の将来と大阪府の再生を見据えた覚悟ある発言と私は受け止めた。

今後日本の安全保障問題はこの普天間問題が新たなスタートとなり、沖縄県や現存する他の基地受け入れ自治体だけの問題ではなく、「日本としてどうするのか」ということの下に「自治体としてどうするのか」という具体的な議論が始まり、日本の安全保障は大きな転換期を迎えたことになると考える。

反対ばかりしていればよかった時代は終わりを告げる。総論賛成、各論反対という身勝手で都合の良い考え方は今後通用しなくなると思う。

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