ギリシャのパパンドレウ首相は、フランス・カンヌでのG20開幕直前、EU支援策に待ったをかける形で、その判断を国民投票に委ねると発表しました。
EU支援策を受けることは、ギリシャ国内の超緊縮財政とリストラを受け入れることであり、また、EU圏内に残るか否かを意味することでもあります。
ただ、政治の責任を放棄する形の国民投票は如何なものかという疑問が湧きます。
予定では1ヶ月の猶予期間を経て、12月4日に国民投票を行なう予定のようです。
しかし、フランス・サルコジ大統領、ドイツ・メルケル首相はここまで支援策を行なってきて、準備が整った段階でのギリシャ首相の決断に怒り心頭です。結果が出るまで支援策は凍結と発表しました。
国民投票で緊急支援策を受け入れなければ、ギリシャ財政は完全に破綻し、イタリア、スペイン、ポルトガルをはじめ、財政不安を抱える国とギリシャ国債を多数保有している国は、たちまち金融情勢や国家財政が破綻する危険性を孕んでおり、大きな影響を及ぼします。
その結果としては、、少なくとも、ユーロ安、ドル安を受けて、さらに円高が進み、最悪の場合は世界金融恐慌に発展する可能性もあります。
ただ、ギリシャ国民の7割はユーロ圏に残ることを希望しており、パパンドレウ首相は、「ギリシャ国民は賢明な判断をする」と期待を寄せています。
さらに、パパンドレウ首相が辞任し、与野党連立内閣が暫定政府をつくるという観測もあり、その場合は国民投票の見送りもあるようです。