広島市は、これまでの「事務事業見直し委員会」を廃止し、行政当局による事務・事業の見直しに着手しました。
自主的に検討会議を立ち上げて、見直しをするということは非常に前向きな姿勢であり、評価したいと思います。
これまでの有識者による「事務・事業見直し検討委員会」は前市長が、都合のいい事務・事業を抽出し、廃止、縮小するために形式的な外部関与というパフォーマンスをとったに過ぎず、民主党政権で好評を得た事業仕分けを、広島県がやるからと流行に乗り遅れまいと真似ただけで、それほど重要な意味はありませんでした。
しかし、今春、新しい市長が誕生し、その都市経営、政策ビジョンなど行政サービスを根本的に見直す絶好のチャンスが今年だと思います。市長が代わったのですから、事務、事業など、その内容が大きく変わっても不思議ではありません。むしろ、変わらないで継続していることのほうが不思議なことになるのではないでしょうか。
そうした中で、市長が、その見直しを決断し、行政効率と市民満足度を高めるための作業は、議会、行政がともにその責任を果たすために力を合わせなければならないと思います。
そのためには、常にP・D・C・Aを繰り返し、検証することが必要です。
「やり始めたから、もう止まらない」ではダメです。「前のとおりにやっていれば自分に責任は無い」では根本的に仕事のやり方、考え方が間違っています。
健全な議論を経てこそ、良い結果が生れるのではないでしょうか。そのためには、互いに批判を受け入れる器量と胆力が必要です。
今回は、6常任委員会全体で65件が、内部合意できたということで、昨日の各常任委員会で報告されましたが、「ここへ至るまでに内部の検討状況をもう少し明らかにし、議論を進める必要があるのではないか」という意見がありました。
議会は単に追認機関としての存在であってはならないと思います。より良い行政を行なっていくためには、政治が果たす重要な役割があるはずです。
そのためには何と言っても議会・行政相互の信頼関係と適度な緊張関係に尽きると思います。
「攻める」とか「守る」とか言うだけの関係ではない、もう一歩も二歩も進んだ空気の中で仕事がしたいものです。