1999年光市母子殺害事件で最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は弁護側の上告を棄却しました。
これで大月孝行被告の死刑が確定しました。
犯行当時18歳1月だった少年に死刑を宣告できるかどうか世間は重大な関心を持って見守っていたと思います。
金築裁判長は「なんら落ち度のない被害者の尊厳を踏みにじった冷酷、残虐で非人間的な犯行。動機や経緯に酌量すべき点は全く認められない。遺族の被害感情は峻烈を極めている。平穏で幸せな生活を送っていた家庭の母子が、白昼、自宅で惨殺された事件として社会に大きな衝撃を与えた」と述べました。
最初は原告不利のように思えた裁判、判決も最終的には多くの人が納得のいく結論に落ち着いたのではないでしょうか。
殺人事件に対する厳罰化は裁判員裁判などの影響もあり、被害者感情が忖度されるようになってきた感はありますが、一方、弁護士界では死刑廃止論者が世界の潮流を背景に運動を展開することに違和感を覚えます。
これまで余りにも被害者の尊厳がないがしろにされて悔しい思いをしてきましたが、私は今回の判決を全面的に支持します。
それでも本村さんの妻と子は帰ってこないという無念は晴れません。