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総括質疑

昨日の決算特別委員会で各会派から総括質疑が行われました。

私は、そのトップバッターで4項目の質疑を行いました。

まず最初は、「入札制度と積算」についてです。

最近は、土木職員の積算能力が著しく低下しており、現場を見て工程が頭に浮かばない状況で積算すると工事単価、工事契約額が施工業者にとって採算割れをするという実態が生じます。

こうしたことはとりもなおさず、入札をしても不調に終わるか、ハナから応札しないという状況が生まれ、予定した事務執行が行われないばかりか、市民に多大な迷惑をかけるという結果になります。

1回目で不調になった場合、競争入札の業者を入れ替えれば済むと思って再入札をしてもさらに不調という結果を招いています。

業者の入れ替えをすることが大事ではなくて、積算をやり直さなければならないのにこれを放置したまま、責任は業者の積算能力がないからだと言わんばかりです。

さらに設計図書は市内8社の持ち回りで工事毎に2社づつローテンションさせながら、指定業者まで行って有料で購入しなければならないという馬鹿げた制度になっています。

今どき、パソコンを使っていない業者などいませんから、入札公告の段階でPDFにしておけば工事に関心のある業者は印刷して簡単に詳細を知ることができます。即座に改善してほしいと訴えました。

二つ目は、「待機児童の解消」です。

横浜市が3年計画で待機児童0を実現しました。それまでは日本一待機児童の多い都市でした。しかし見事に解消したのです。

横浜市と同じことをやろうとしても無理です。それよりも広島市の実情を勘案したうえでオリジナルなアイデアを提案しました。

広島市を代表するような企業や大規模事業所内に保育施設を造るのです。

例えば、中国電力、広島銀行、中国新聞社などの企業や地元テレビ局とNHKを含むテレビ会社、そごう、福屋、三越などのデパートなどに呼びかけて協力を求めるのです。

待機児童という問題は社会問題です。そもそもこうした問題を広島市だけで片付けようと考えるには無理があると思います。

この問題は今日の社会構造に起因しているのだと思います。企業の福利厚生の向上、優秀な人材確保、雇用確保、企業イメージのアップなどプラスになることはたくさんあります。

あとは、国、県、市の補助金がそれぞれの企業等にとって魅力あるものでなければなりません。条例を制定してでもやるべき大きな課題です。そのためには座して待つより、まず行動です。

三つ目は「時効消滅した市収入」です。

毎年決算審査になると気になっていたのが時効を迎え、法的に徴収することが不可能になった不能欠損です。

不能欠損は、「もう時効だから仕方がない」と殆どの職員は諦めて事務的な処理しかしていません。

今回、私は思い切って市税、国保、水道、下水道、住宅など代表的な徴収金、使用料など10項目について調べてみました。

これらは、未収金となり、やがて時効を迎えたり、執行停止した金額ですが、直近の10年間だけで約240億1千万円にも上っています。この金額を聞いて、みなさん信じられますか?これで予算がないとか、財政難はないでしょう。

縦割りの組織でそれぞれが担当していては、回収作業が非効率であるばかりでなく、一体、広島市の収入となるべき金額がどの項目でいくら徴収されていないのか、全体でいくらになっているのかなど把握すら出来ていない状態は、著しく管理、監督能力が欠如している無責任状態です。

こうした未収金、延滞金等は、新設した収納対策本部などで一元管理し、その回収効率を高めるとともに、実効性ある結果を出さなければならないと述べました。

さらに、専門の債権回収会社との業務委託も総務省通達で可能となっていますから、是非とも検討して欲しいと思います。

四つ目は「内部統制の強化」です。

平成22年度に発生した不正経理は二度とあってはならない不祥事です。

市民の血税を預かる市役所が法に基づかない不適切な支出や処理を行っていたのですから、これ以上の行政不信はありません。再発防止に努めるのは当然のことですが、改善点を具体的に示すよう求めました。

また、飲酒、酒気帯び運転、下水道使用量徴収漏れなど新聞紙上をにぎわす相次ぐ不祥事は、一体どうなっているのでしょうか。綱紀粛正を誓ったのは口先だけだったと言われては余りにも悲しいと思います。

人材の適正配置は適材適所でとは人事において謳い文句のように言われる言葉ですが、広島市においては、前10年間で硬直仕切った職場風土を打破し、風通しがよく、しかも緊張感ある公務員としての意欲と自覚促すためには、大胆な人事異動を敢行するしか道はないと思います。

今日の状況は、想像以上の行政能力低下を招いていることを自覚しなければならないと思います。人事に非情はつきものです。反対に人事には温情もありますが、その両方を機能させなければ正常な組織に近づくことはできないと考えます。

今の行政と議会の双方に求められているのは、権限の行使と責任、勇気と行動だと考えています。

耳に痛い質問だったかもしれませんが、双方の理解と協力が素晴らしい街づくりに繋がると信じています。

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