Nさんからミニ集会をするので5月6日の11時から時間を空けて予定しておくようにとの連絡があったのは、10日くらい前のことでした。
「奥さんも一緒のほうが良いと思うからそのつもりで」言われて、頷きながらも家内の顔色を窺いながら「分かりました」と答え、早速手帳に書き込んで予定を入れておきました。
いよいよ当日、約束の時間に事務所へ行くと駐車場に着いたと同時にその方が迎えに来てくださいました。
余り細かいことを聞くのもどうかと思い、その車に家内と二人で乗り込みましたが、行く先も分からないままに車は出発し、進むがままに身を任せていました。
20分くらいで目的地に着いたら、何と立派なお屋敷で若干の緊張感が芽生えながらも門をくぐって玄関先まで行くと知り合いのⅠさんが出迎えてくれました。
あれっ!?と思いながらも、ミニ集会なのでわざわざ美鈴が丘から「手伝いに来てくれたんだなぁ」と思いました。その直後、その方が「どうぞどうぞご遠慮なく」と言われるので招かれるまま靴を脱ぎ畳へ上がらせていただきました。
すると何ということでしょう。そこには見たような顔がズラリと並んでこちらを見ています。
よく見直すと、この人たちは皆、近所の人達ばかりでいつも身近で僕を応援してくれている人たちでした。
やっとミニ集会の意味がここで分かり、置かれたテーブルに就くと食事が用意されており、開会の言葉をNさん、Ⅰさんが述べたあと私に挨拶をしろと促されて謝辞を述べました。
そうです。何と皆で10日も前から密かに示し合わせてビックリ、ドッキリ、サプライズの還暦祝いを用意してくれていたのです。
もう全く予想もしていなかったので本当に驚きました。赤いちゃんちゃんこならぬ、色鮮やかな真っ赤のポロシャツをプレゼントしていただきました。
立派に手入れされた庭や植栽、池には大きな鯉が30匹くらい優雅に泳いでいるお屋敷を借りてセッティングしてくれたようです。
我儘な僕は平生から皆さんに迷惑をかけ、いろいろお世話になっているのは僕のほうなので、感極まってしまった僕は、挨拶の途中、「ちょっと、ここで泣いてもいいですか?」と言って、鞄の中に入れてあった目薬を出して大粒の涙を流しました。
それにしても、こんなにすっかり気持ちよく騙されたのは久しぶりです。
この中には、前日、一緒にゴルフに行った人が4人いたのですが、何も言いませんでした。前の日は本当の誕生日です。終わって打ち上げ的に近所で食事をしましたが冗談とは言え、「これで終わり?」と言っていたのに隠し通していたのです。
昨日になってミニ集会の実態が分かると、逆に冗談でもそんなことを言った自分が恥ずかしくなりました。
皆の気持ちが凝縮されたアットホームなぬくもりのある還暦祝いは一生忘れることのできない佳き思い出になりました。
力強いエネルギーの源泉をいただきました。
みなさん本当に、ありがとうございました。