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朝日新聞社

朝日新聞社の木村伊量社長は11日記者会見し、一連の誤報問題について記事の誤りを認め謝罪するとともに見通しがついた段階での引責辞任を示唆しました。

吉田清治元記者の取材に基づく済州島で次々に幌付きのトラックに女性を詰め込んで無理やり拉致したという「従軍慰安婦の強制連行」問題については、8月5日、6日の紙面で、その裏付けとなる根拠がなかったとして既に記事を取り消していましたが、1980年台後半から始まった取材発表や、本の発行、新聞記事などで日本の国際的信用を貶めてきた事実は消えません。

記事の取り消しを発表の後、池上 彰氏の「新聞斜め読み」のコラムでは、長年にわたり事実無根の報道をしておきながら、慰安婦問題の検証のありかたについて朝日新聞社の姿勢を批判した内容の原稿を締め切りの2日前に送ったところ、朝日新聞者側から掲載を断られるという契約違反、言論封殺ともとれる同社の対応は社会的、国際的信用の失墜、会社の体質を改めて浮き彫りにしました。(後に謝罪し原文のまま掲載)

さらに最近では福島第1原発の吉田昌郎元所長が政府事故調査委員会に語ったいわゆる「吉田調書」で吉田元所長は、「一時退避」を「全面撤退」と受け止めた当時の民主党・菅首相の無能ぶりを批判しています。朝日新聞は、吉田調書を極秘入手したとしてこれを「所長命令違反 全面撤退」の大見出しで1面記事を掲載していました。(吉田調書公開後、当時の菅首相、枝野官房長官、海江田経産相は口をそろえて東電・清水社長からの連絡は撤退だったと責任逃れをする発言をしています。)

そもそも非公開とされていた「吉田調書」が何処からか漏れ、あってはならない報道に繋がりました。このことも大問題なのではないですか?

吉田元所長は、調書で語られた記録が一人歩きすることを懸念し、当初から非公開とすることを望んでいましたが、朝日新聞社の報道は実際の吉田元所長が考えていたことと決断した行動が記事とは違うことで菅官房長官が公開に踏む切りました。

朝日新聞社の地に落ちた信用回復はかなり厳しいものと推察しますが、自浄能力が試されること、第3者委員会の検証結果に委ねられることになりそうです。

偶然ですが、両吉田氏をめぐる記事が朝日新聞の誤報、虚報として明らかになりました。これらは記者のスクープ記事を狙った卑しい気持ちと手柄を狙った編集局自体の焦りに起因する大失態になりました。

今回の問題は、言論の自由、報道の自由を盾にこれまで歩んできた報道機関のジャーナリズムに対する基本的姿勢を問われる大事件です。行き過ぎた過熱競争は国民の尊厳を傷つけ、自信を失わせるとともに国際的信用をも失わせる結果となった過去を大いに反省するべきです。

朝日新聞の読者は、一連のこうした状況に呆れ、さらに左寄りの東京新聞に移っているそうです。

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