山口県・柳井高校の授業で「安全保障関連法案」をテーマにした模擬投票が行われ、教育長が本会議で謝罪するという事態が発生しました。
授業は2年生の現代社会で行われ、「選挙権年齢を18歳に引き下げる公職選挙法改正で来夏の参院選挙で有権者になる生徒がいることから政治参加意識の高揚を意図して企画された」そうです。
クラスの32人が8班に分かれて法案への賛否と理由の説明を表明させるというものです。結果は、2グループが賛成、6グループが反対という結果が出たそうです。
これを問題視した自民党県議が「適切だったのか」と常任委員会で指摘し、教育長が本会議で不適切を認め「政治的中立性の確保策を盛り込んだ有権者教育の指針を作る」と述べ、高校生に賛否を問うこと自体に否定的な見解を示しました。
有権者と言っても高校生ですからねぇ。社会経験や人生観がまだまだ未熟な中でこんな難しいテーマを学校で扱うのはより慎重にならなければいけないのではないかと思います。
百歩譲って法案の中身を勉強することがあったにしても相当に理解が難しい内容ですからねぇ。教えるほうもきちんと理解しているとは言えないかもしれない内容を学校で取り扱うのは危険と言えるでしょう。
担任教諭の思想が優先していないか、十分な資料は準備しているかなど公正中立であるかどうかのチェックも相当難しいですよね。
生徒が自主的に議論することはあるかもしれませんが、授業で扱わなければ当然、自由の範囲だと思います。むしろ有権者の自覚としては喜ばしいことかもしれません。
学校で結論まで導き出すとすれば公立学校での授業の一環で行われる教育としては不適切としか言いようがありません。
選挙年齢の引き下げは先進国で行われているようですが、一国民としての自覚、政治への参加意識を高めるという考え方は賛同できますが、18歳の高校生には内容の難しい重たい判断を迫る側面もあり、投票率の向上に必ずしも結び付くかどうかは不透明のような気がします。