夏の甲子園大会が終わりました。
45年ぶり2回目の優勝を果たすか東海大相模、さては、26年ぶりの決勝進出で東北勢初の優勝なるかという仙台育英、双方が負けられない戦いを展開したのでした。
1回、3回で4点を先行した東海大相模でしたが、主導権を渡してなるものかと仙台育英は、3回の裏に3点を返しましたが、東海大相模は4回さらに2点を追加し引き離しにかかりました。必死に食い下がる仙台育英は6回に3点を追加し遂に同点に追い付きました。素晴らしいゲームです。
7回、8回とこう着状態が続き、最終回9回表、東海大相模の攻撃。先頭打者のエース小笠原投手は、仙台育英の佐藤世那投手が不用意に投げた初球の高めに浮いたすっぽ抜けフォークボールを叩かれ右中間へホームランを打たれました。
ここで踏ん張って1点だけなら9回裏の攻防はどうなったか、野球の神様しか知らないことですが、東海大相模は「アグレッシブ・ベースボール」を積極的に展開し、最終回に4点をもぎ取りました。緊張の糸がプッツリと切れ茫然としたままの佐藤投手は訳の分からない内に連打されました。
タラはないけどおしかったなぁ。
相手ピッチャーに打たれたこと、同点だったこと、最終回ということなど佐藤世那投手の心理に大きな影響を与えたことと試合そのものの流れを変えたに違い無いホームランだったことは間違ないいでしょう。
息づまる攻防の決勝戦。力と力の野球という意味では見応えのある素晴らしい戦いであり、球史に残る決勝戦に相応しい試合だったと思います。
手を伸ばせば、もうそこまで来ていて掴めそうで掴めなかった優勝旗を逃した仙台育英。本当に惜しい。
東海大相模は、僕が高校で野球を始めた1年生の時に優勝したチームです。このときは、新チームの練習を中断して全員で決勝戦を見せてもらいました。
2回目の優勝を称えなければなりませんが、ひとつ気になることがあります。
ベンチ横で監督の胴上げが始まったことです。
”勝者あれば敗者あり”です。高校野球では、そうした思いやりやマナーも教育しており、特に胴上げ等はその最たるものです。
甲子園優勝校が球場で監督の胴上げをしたことはほとんどありません。(母校や郷里に帰って関係者だけで人目に殆ど触れることなくすることはあるかもしれません)
せっかくの素晴らしい決勝戦のあとでこの光景を見た観衆、テレビの視聴者はどのように感じたでしょうね。
僕は優勝の栄冠に少し寂しい思いを抱きました。惜しい東海大相模!