日本時間、午後4時半からカンボジア・プノンペンで始まったユネスコ・世界遺産委員会は、日本の「富士山」を世界文化遺産に登録することを決定しました。
10年くらい前に地元・政府は、世界自然遺産を目指しましたが、委員会は、ゴミ問題や火山としての世界的な独自性に欠けるなどの理由で候補から除外していました。
富士山は、その姿、形など景観の美しさだけでなく、日本人の精神的支柱にもなっており、日本人にとって遠く古より霊峰富士として崇められていることが登録の根源です。
決定に当たっては、絵画や文学作品など数多く登場した文化的な価値とあわせ、山麓に点在する浅間神社、富士5湖、白糸の滝などの名勝、景勝地など複数で構成されています。
当初、ユネスコの諮問機関・イコモスからは、「三保松原」を除外するよう求められていましたが、今日の会議では、日本以外の19人の委員国代表が発言し、その殆どが三保松原を含めた一括登録を求めたそうです。
したがって、通常は1件につき10分程度で終わることもある会議は富士山だけで50分かかったそうですね。日本では、5時半ころニュース速報がテロップで流れました。
決定後の公式コメントで山梨県知事・横内正明氏、静岡県知事・川勝平太氏はユネスコ大使に続いて喜びと決意を興奮した感じでスピーチしました。その後のインタビュウでは、「登録は感無量」、「状況を覆せたことは奇跡」などと答えました。
随分と昔の話ですが、何か足りない時の表現で「クリープの無いコーヒーなんて・・・」と言うCMがありましたけど、今回は、「ソーサーの無いコーヒーカップ」みたいな感じでしたからね。
三保松原が登録を構成する部分に加えられて本当に良かったですね。
日本一という表現の代表でもありますが、日本にとって富士山は国民の誇りですが、これからは、名実ともに「世界の富士山」という見方に変わっていくでしょう。
これで日本の世界遺産登録は、文化、自然を合わせて17件目です。