昨日開かれた日銀の政策決定会合で’08年度と’09年年度の実質経済成長率の予想が発表されました。
2008年度(平成20年度)は▲1.8%で2009年度(平成21年度)は▲2.0%に大幅下方修正することを決めたようです。昨年10月時点では比較的楽観視され、’08は0.1%、’09は0.6の成長を見込んでいました。
白川方明日銀総裁は「景気は大幅に悪化しており、当面悪化を続ける可能性が高い」と述べ、「今後は企業が調達する資金の金利をどう下げるのか、量に関する安心感をどう確保するのか」がポイントになるとの見解を示しています。
内閣府にある1956年以降の統計で日本経済はこれまでに過去4回のマイナス成長に陥っています。
1974年の第1次石油危機、1993年のバブル崩壊、1998年の邦銀金融危機、2001年のITバブル崩壊ですが今回の日銀予想はこれら過去4回のマイナス成長を大幅に上回る戦後最悪になるというものです。
現在、経営不安のない大企業でも資金調達が困難になっており、日銀は政府と歩調を合わせた異例の民間資産購入(売掛債権などを裏づけとした資産担保)で景気回復に必要不可欠な資金繰り支援の下支えとする方針です。
ただ、民間資産購入では一定の指針を示してはいるものの今後予想を超えた景気悪化になることも考えられ、日銀は大きなリスクを抱えての舵取りになりそうです。
資金需要の増してくる年度末を迎え心配は尽きませんが、このあたりで日本経済の病気がどの程度なのか判断できる重要な時期になると思います。