NHKの経営委員会(古森重隆委員長・富士フィルムHD社長)は次期NHK会長にアサヒビール相談役の福地茂雄氏(73)を選びました。外部からの登用は20年ぶりで経営委員12人のうち会長の任命に必要な9人を上回る10人が賛成し2人が反対したようです。任期は3年で来年1月25日に就任する予定です。
選出した理由を古森委員長は「大企業のトップとしての実績があり、改革を進めることができる上、文化的素養が十分でNHK番組に関心が高い」と説明しました。また、福地氏は「公共放送の使命の大きさについて意義を覚え引き受けることにしました」と述べました。
不祥事の後、受信料納付拒否などで運営に支障をきたしているNHKでは抜本的な経営方針の改善について経営委員会と執行部の間で確執が続いており、内紛状態にあるようです。9月に執行部(橋本元一会長)から出された次期経営計画案は最終的に不承認となっており、事実上の執行部不信任となっていました。
内部からの会長登用では改革が進まないと考えていた経営委員会は不退転の決意でこの会長人事に臨んでおり、先ずは第一段階が終了と言ったところですが、国民から信頼されるNHKとなるために何をどうするのか具体的な説明を次期会長には求めたいと思います。