理念か現実かを求めた韓国大統領選挙は昨日投開票され、ハンナラ党の季明博氏(66)が圧倒的支持を受けて当選を決めました。金大中、盧武鉉政権と10年間続いた革新政権から10年ぶりの政権交代が実現しました。新大統領は来年2月25日に就任する予定です。
季明博氏は自ら経済大統領を名乗り、雇用や格差問題を争点にして盧武鉉政権の失政を訴えました。前回、盧武鉉氏に投票した多くの若者を取り込んだことが勝因となりましたが、この10年間の対北朝鮮政策が太陽政策を中心とした失政であると受け止められ多くの若者達を失望させ保守化の流れをつくりました。
また、季明博氏は盧武鉉政権を「言葉だけの無能な政権」と批判し、フランスのサルコジ大統領を引き合いに出して「経済成長重視がグローバルな時代精神」と訴えました。
一方、太陽政策では「北の住民を暖かくできず核武装をもたらした」と批判していることから太陽政策は大幅な修正が予測されています。しかしながら南北首脳会談には積極姿勢を示しており、「核廃絶には時間がかかる。そのときまで南北関係が断絶しても良いとは考えない」意向を示しました。
新政権が日本に対してどのような影響を与えるのか注目ですが、単なる隣の国で終わってしまうのか、極東アジアの平和的安定と繁栄を目指す同盟国となれるのか最大の関心事ですね。