政務調査費問題が改選直前になって急浮上しました。
改選後の市議会内部においてはその検討委員会が立ち上げられ議論されています。
今回の検討委員会では、2月定例会で議員提案により議決した政務調査費の使途基準の明確化が大きなテーマとなっています。しかしながら、議員活動と政務調査との線引きはかなり困難な問題であり、現在では各会派ともに似通った意見を持っているようですが微妙なニュアンスの違いを感じています。
そもそも議員活動そのものが調査活動と言ってよいほど表裏一体のものであるからです。それを無理やりに議員活動と調査活動を区分けしようというところに大きな問題があるように思います。議員個人の事務所に後援会が事務所として同居している場合その事務所費を按分しようとするのも一つの例ですが、後援会という名称があるだけで按分するという考え方は本当に正しいのでしょうか。後援会とは名ばかりで実際には後援会費を徴収して運営をしている議員はほとんどいないと思います。運営資金があるのなら別ですが金銭が関与しない実態ではその必要はないと考えています。
また、ガソリン代なども按分の対象とのことですが、議員の調査活動と後援会活動などを明確に区分して按分するというなら鉛筆1本に至るまで按分する必要があります。こうしたことは事務の煩雑さを招くだけで何の利益もないと思います。もう少し簡単に言えばガソリン代の領収書も10回分の領収書を10枚提出して按分するのがいいのか、10回のうち7回提出して処理するのがいいのか方法は一様ではないのではないでしょうか。
さらに議員の調査活動は多岐にわたって日々行われるものであり、あらかじめ予定して行われる調査活動だけが調査だと断ずるのはいかがなものかとも考えています。
議員の資質能力向上と市民の付託に対して責任を果たすために必要な経費は議員である限り恐れることなく堂々と使用すべきであると思います。そのために政務調査費は制度として法律で定められているのであって、マスコミに騒がれて萎縮するようでは議員本来の職務を全うすることなど到底出来ないでしょう。ひいては広島市議会の能力低下につながるばかりでなくまともな政治が行われなくなる危険性を孕んでいると言えます。
現在、この政務調査費について検討委員会では市民の関心が高いことから一定の前進を見せて(パフォーマンス)早期に決着をつけたいとする意図が見て取れます。
折角、この問題について時間と労力を費やして議論し、結論を出すのであればキチンとした議員としての自覚とコンセンサスに基づいた内容であることを期待します。中途半端な何の根拠もない使途基準では意味がないと思います。
単なる議会内部の申し合わせでは物足らないと考えています。
そのためには公認会計士、税理士などの専門家を加え、今後の時代に堪えうる内容にしたいものです。
その上で領収書は堂々と全面公開し、議員の自覚に基づいた活動内容を公に晒すことで緊張感ある議員活動が行われるべきだと考えています。